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『ワーキング・ガール』 レビュー(感想)と考察

『ワーキング・ガール』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

この映画で一番思い浮かべるのは、BGMだ。妙に心に響く音楽で、歌が入らないから何だか違和感を覚える。(この曲は一体何だ?)調べると、『let The River Run 』という曲で、Carly Simonという歌手の歌だという。それが中々壮大な音楽で、この映画のタイトルにある『働く女性』と何がマッチしているのか分からないのだが、それに不満があるわけではなく、むしろいい仕事をしてくれている印象だ。レベルが引き上げられている。

 

1930年代前後の大恐慌時代の映画はいくつもあるが、これは逆に、1980年代後半の好景気によるM&Aブームを背景に、ニューヨーク・ウォール街の投資銀行のM&A部門で働く女性の恋と仕事を描いている。この映画は911で失われたあのワールドトレードセンターで撮影されていることもあり、時代の歴史で考えても貴重な作品だ。

 

主演のメラニー・グリフィスという女性はこの映画以外であまり活躍を観ることはないが、それも無意味な先入観がなくていいかもしれない。ハリソンフォードとシガニーウィーバーという名優が脇を固めていることも重要なポイントだ。アメリカにおいて「映画芸術の遺産を保護し前進させること」を目的とする機関AFIが2006年に選出した「感動の映画ベスト100」において、錚々たる名作ひしめくこの映画界において本作が87位にランクインしていることを考えても、内容のある素晴らしい映画だと言えるだろう。

 

『プレイス・イン・ザ・ハート』が大恐慌時代をアウトローに走らない女性がどう生きるかというテーマを描くなら、この映画ではその真逆で、好景気の入れ食い時代に社会の猛者たちを相手に女性がどのように働き、キャリアアップしていくか。そんなワンシーンを壮大なBGMと共に客観視していると、この映画に何とも言えない哀愁を覚えた。

 

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