CIAのジャックライアンシリーズの第一作。だがこの映画の主人公はショーンコネリー演じるソ連の軍人である。この映画は小説が原作だが、冒頭から常にこのようなことが現実にありえたかのような雰囲気を醸し出すので、つい見入ってしまう。デンゼルワシントンの映画『クリムゾンタイド』と同じような状況だから、あれが実話である以上、こういうことがあってもおかしくはない。そのクリムゾンタイドでは、40年以上経った2002年に「当時の我々の認識以上に、我々は核戦争に近づいていた」として、当時そういうことがあったと告白。
核戦争が起きる一歩手前を常に綱渡りしていたキューバ危機、冷戦時代というのは、こういうことが起きてもおかしくはないのだ。ショーンコネリーの存在感ある演技も手伝って、リアリティが増している。また、ジャックライアン役のアレック・ボールドウィンは名前こそ売れてないが、名作に多数出演している。例えばミッションインポッシブルでもトムクルーズの上司役を務めるが、そうした重鎮役のイメージも、このCIAの重要人物を演じたことが関係しているだろう。
その意味で、今後様々な映画を観ておく際に押さえておきたい一作である。
ジャックライアンシリーズ