『ファイブ・イージー・ピーセス』
ポスター画像出典:『Amazon.co.jp』
1970年に上映されたこのアメリカン・ニューシネマには、その時代の顔であるジャックニコルソンが主演を務める。今、いくつかのその時代の映画の感想文をまとめて書いていて感じるのだが、やはりこれらの時代の映画は当時の生の感覚を知らない私には分からない、『リアルタイムの映画』なのではないだろうか。もちろん映画というのは往々にしてそうだ。その時代を生きる人に共感され、興味を持たれなければ売り上げが伸びず、興行的に失敗し、製作者側が赤字になってしまい、最悪の場合はそれによって人が死ぬこともある。だからそうなることは仕方がないことだ。
しかし、そう考えるとこのアメリカン・ニューシネマの時代で卓越した映画は、
- タクシードライバー
- 俺たちに明日はない
- ダーティハリー
- 時計仕掛けのオレンジ
これらの映画くらいではないだろうか。彼が出演する『カッコーの巣の上で』もかなりいい線をいっているが、正直これよりもディカプリオの『シャッターアイランド』の方が現代人にウケるはずだ。チャイナタウンも、なんとも言えない。この映画もその類の一つだ。アメリカン・ニューシネマはラストシーンが共通してハッピーエンドではないのでそこだけ前のめりに注目したが、ふむ、確かに面白いが、それだけである。