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『クレオパトラ』 レビュー(感想)と考察

クレオパトラ

ポスター画像出典:『映画.com

 

『トロイ』のアキレス、ギリシャのペルシャ戦争とペロポネセス戦争(スパルタ300人の伝説)と、アレキサンダー大王、ハンニバルスキピオに、スパルタカスの反乱を経て、カエサルとクレオパトラの時代になる。ヨーロッパの歴史というのは数百年に一度は必ず歴史的な人物が出てきて、歴史の記録に大きな痕跡を残す。では、クレオパトラという人物は、どういう人物だったのか。

 

 

彼女のこうした名言だけを見れば、彼女がその美貌を利用して野心を燃やした、現代の世ですらもどこにでもいる、単なる美女であり、それがたまたま皇族の地位にあったというだけのことだ。そして、確かに彼女はそのイメージ通り、30歳以上も離れたカエサルの愛人となり、その子供をローマの皇帝にしようと企てる。アレキサンダー大王が支配したエジプトのアレキサンドリアで生きた彼女は、何かと圧倒的な支配者や帝王に憧れがあったのかもしれない。

 

だが、映画を観ればそうした印象も少し変わるだろう。彼女は単なる野心家というわけでもなかったのである。一人の女性であり、そして高潔な精神を持った、女王だったのだ。