ポスター画像出典:『映画.com』
この映画に、ハリウッド映画のようなエンターテインメント性はない。このタイトルにあるウェリントンの登場シーンも少ないし、ナポレオンとウェリントンの火花を散らす壮絶な喧嘩を見たい場合は、お勧めできない。『ワーテルロー』で多少そういう映像を見ることができるから、そっちを見た方がいいだろう。だが、私はこういう映像があってもいいと考える。きれいごとではない醜い人の本性が露呈する、戦争という地獄。おそらく、地獄をイメージして描いているのだろう。ド派手な演出よりも、真実の実態にスポットライトを当てた、禍々しい戦争の実態である。そこには、決して戦争を正当化するべきではないという、製作者のメッセージが込められているように見える。