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『THE PROMISE/君への誓い』 レビュー(感想)と考察

THE PROMISE/君への誓い

 

 

1914年のオスマントルコ。第一次世界大戦を目前にして、少数民族であるアッシリア人、ギリシャ人、アルメニア人たちは戦々恐々としていた。ムスリムであるトルコ人たちが、いくつかの戦争を経て、キリスト教徒に対し敵意を抱くようになり、アルメニア人などのキリストを信仰するを信仰する少数民族を排斥するようになった。

 

トルコは現在このアルメニア人虐殺事件を公式に認めていないが、この騒動によって、実に150万人ものアルメニア人が命を落としたのだ。核爆弾で死亡した人々が10万~20万人。そう考えたとき、これがどれだけの規模の問題だったかが垣間見えるのである。しかも、新生トルコになった後も、ケマル政府はクルド人に対して独立を認めず、弾圧している。したがって、トルコ近辺で少数民族が排斥されている事実が存在することは確かなのである。

 

この時代のオスマン帝国の映画は『アラビアのロレンス』があるが、映像のクオリティで考えると、まるで違う世界を見ているかのように、圧倒的に違う。私は最近の映画の方が好きだ。

 

MEMO

本作の製作費9千万ドルの大半は、虐殺から生き延びた家族を持つアルメニア系アメリカ人の大富豪カーク・カーコリアンが個人的に捻出したものである。カーコリアンはプロデューサーにも名を連ねているが、本作の完成を待たずして、2015年6月に98歳でこの世を去った